ありがとう
「なんでもH君と相談してやっていきなさい…」
突然の死を迎えた混乱の中、旅立つ前にようやくこれだけはKに届ける事が出来た。
・・・ようやく決心が着いたとはいえ、色々な想いが込み上げてきた。
私はこれから何処に行くのだろう。。。
身体は軽く、痛みも重みも何もない。
ただ不安と葛藤と感謝と悲しみと何とも言えない思いに包まれていた。
KもH君も深い深い悲しみの中、私を送り出す準備を整えてくれている。
Kからは、手紙と大好きなブルーマウンテンのコーヒー、私の生前の愛用品を最後の母の日にプレゼントしてくれたお気に入りの真っ赤なトートバッグに詰め込み、持たせてくれた。
コロナ禍の大変な時期に、妹や姪も子供たちと一緒に家族葬で見送る準備をしてくれていた。
棺には姪たちが用意してくれた真っ赤なカーネーションが敷き詰められ、真っ赤なダリアが散りばめられ、そして胸には真っ赤なカーネーションの花束・・・
そう、私が生前、娘のKによく、
「私の葬式には白いお花じゃなくて真っ赤なお花にして欲しい」・・・という願いが叶えられたのだ。
とっても感謝!本当に今までありがとう。皆んな、愛しています。
そして私は骨となった…。